澤野 香代子さん
西九州大学 健康福祉学部健康栄養学科 教授
「温めたらスープになり、冷やしたらゼリーになる、おいしいユニバーサルデザインフードを開発したい!」
UDフードは、介護を要する人の飲み込みやすい食品として全国に普及しています。年をとれば、かむことは噛んでも、送り込む、つまり飲み込むことがしづらくなり「ごっくん」と飲み込むことができずにむせることが多くなります。しかしこの食品は、味が付いていて高齢者向きではありますが、乳幼児には向かないものです。
そこで、高齢者にも適した食品で、乳幼児期の離乳食にもなり、全ての人々がおいしく食べられるUDフードができればと考えています。
例えば、離乳食としては、溶かせばスープにもなるスープ食で、高齢者には口の中の体温で溶けるゼリー食になるUDフードがあれば、これがひいては、子育て支援や介護支援にもつながるのではないかと考えます。
また佐賀県には、地域食材の「野菜や鶏肉等」が豊富にあるため、特産品を活かした「固めればゼリー温めればスープ」になるようなUDフードを関係者の皆様方とともに佐賀県から発信できればと思っています。
「フランス料理のムース、テリーヌなどは、まさにUDフードではなないでしょうか?」
病気の方が食べにくいときは調理されたものを刻んで「きざみ食」として提供される場合がありますが、それは真の意味でのUDフードではないと考えています。病気の方にとって見た目にもおいしく、食べやすい食品であること、それは、普通の和食や洋食の中にもヒントがあります。
例えば、フランス料理のムース、テリーヌなどは、おいしくて食べやすく、まさにUDフードではないでしょうか。真のUDフードとは、乳幼児から、高齢者まで食べやすくおいしい料理であると考えます。
私達は,この世に生を受けて、母親のお乳を初めて口にします。そして、成長とともにお乳以外の食べ物として離乳食が始まります。この離乳食から、「食べ物のいのちをいただいて生きる」ことが始まり、やがて人は高齢期を迎えることになります。
今後の高齢社会で、体の機能の変化や疾病に対応した「嚥下食」を工夫・研究することは非常に重要なことですが、同時に、地域の人々が日ごろ食べなれているものを「口から食べる幸せ」を感じつつ、元気な毎日を過ごされるための基礎となる「食を通した健康づくり」が何よりも重要であると考えます。
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