ユニバーサルデザインという言葉が随分世の中で一般的に使われるようになってまいりました。この考え方は、1985年にアメリカのロナルド・メイス、通称ロン・メイスという身体に障害をもたれた建築家の方でいらっしゃいます。その方を中心とするグループが提唱した「ものづくりの考え方」というように理解しております。
もちろん英語で原稿が作られていますので、日本語に訳すといろんな和訳があるのですが、一番端的な訳し方を画面の方に表示させていただいております。
年齢、国籍、性別、能力、身体的な特性等の違いにかかわらず、すべての人々が生活の不便さを感じることなく、製品、建物、環境を、「可能な限り」快適に利用できるようにする概念ということですね。これだけですと、ちょっとお題目的な感じになりますけれども、ロン・メイスさんの言葉の中には、「全ての人々が対象ですよ」ということが明確に出ております。英語で言えば「for all people」というような表現になっております。
しかし、現実私どもが商品をつくることを考えますと、すべての人々に対して、同じように利便性があるとか使い勝手がいいというのはなかなか現実的ではありませんよね。例えば、失礼な言い方かもしれませんけども、寝たきりの高齢者の方が使いやすい洗濯機ということを考えたときに、まったく我々デザイナーとしてはイメージができない。今のわれわれが持っている技術力や知恵では、全ての人に対するものというのはある意味で理想論になってしまう。そこでロン・メイスさんは「可能な限り」というような言葉を付加しています。目標はあくまで「全ての人に」であるけれども、それは現実を見ながら、可能な限り、使いやすいように、使えるように、安全なように、そういうものづくりをしていきましょうということが謳われているわけであります。是非このことだけは皆さんにもご理解をいただきたいという風に思っております。
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