うれしの特別支援学校 高等部3年 岩永優二さん 平郁也さん
学校の授業で、生活単元学習という授業があります。2年生の生活単元学習の授業で、僕達は車いす探検隊として、車いすではどんなところに行けるだろうか、自分達の周りにはどんなバリアフリーの施設があるかを、実際に行って調べてみました。
今日は、去年1年間行った、車いす探検隊の取組みについて紹介したいと思います。車いす探検隊は、第1弾から第4弾まで、4回の探検をしました。
車いす探検隊第1弾では、僕達が通っている佐賀県立うれしの特別支援学校の周辺を探検して、地図や道路などのバリアフリーについて調べました。
まずうれしの特別支援学校を出発して、交差点まで行きました。そして、横断歩道や橋を渡って、市役所に行きました。そして最後にスーパーマーケットで買い物しました。
普通に歩く人と違い、車いすに座った状態なので、道路のちょっとの段差でもおしりに振動がきます。
グレーチングに車いすの前輪がはさまってしまいます。グレーチングとは、溝に落ちないようにしてある、鉄のフタのことです。
道路に歩道がなくて、大きな車が通る時に怖かったです。車いすでは、幅があるので白線からはみ出てしまい、危なかったです。車いすでも安全に通れるように、いつか歩道を作ってほしいです。歩道もないし、道路と家の間に溝があって、落ちそうで怖かったです。
植え込みの段差があって押しボタンに近づけず、ボタンに手が届かなかったです。
橋の前後は坂になっていました。上り坂は上るのに力がいりますが、下り坂は車いすが勝手に進み、怖かったです。ブレーキを早めにかけないと、道路に飛び出してしまい、事故にあうと思います。
市役所前の道。
結構長い上り坂があります。車いすを押す人は大変です。
市役所のグレーチングは、細かい網だったので大丈夫でした。
市役所のエレベータは、車いす用のボタンが奥の方についていて、前向きのままでは手が届きません。方向を変えないとボタンを押せませんでした。
玄関の階段の横にスロープがあったけど、そのスロープが急だったので、車椅子を押す人はとても大変でした。乗ってるほうも怖かったです。
入り口には、貸し出し用の車いすが一台おいてありました。入り口は、扉が片方しか開いていなかったので、車いすではギリギリでした。
2階は残念ながら階段だったので、行けませんでした。
建物の入り口。大きな段差ではありませんが、前輪を持ち上げないと進めません。
買い物カゴが大きくて、持ちにくかったです。
棚の高いところのものは取れないので、お願いして取ってもらいました。
レジは台が低かったので、支払いや受けとりがしやすかったです。
将来使うかもしれない身近にある駅、佐賀駅・肥前鹿島駅・肥前浜駅のバリアフリーについて調べてみました。
駅のきっぷ売り場、改札からホーム、ホームと電車の段差、トイレについて、どういうところが使いやすかったか、使いにくかったかを調べました。
佐賀駅の場合、窓口のきっぷ売り場では、台が高かったので、駅員さんが手を伸ばしてくれました。
自動券売機では、車いすに乗ったままでは、押したいボタンに手が届きませんでした。
肥前鹿島駅の場合、ガラス窓なので駅員さんが手を伸ばせませんでした。
台の上のきっぷを取りにくかったです。
自動券売機では車いすに乗ったままでは、押したいボタンに手が届きませんでした。
肥前浜駅の場合、無人駅なので、駅員さんがいません。きっぷ売り場もありません。きっぷは電車の中で買います。
佐賀駅の場合、車いすが楽に通れるくらい、改札が広かったです。
改札できっぷを渡すところが低かったので、渡しやすかったです。
改札からホームまで、約3分かかりました。
改札口から2階までと、2階からホームまでの、二つのエレベータがありました。エレベータの扉が前後についていて、車いすの方向を変えなくてよかったので、乗り降りは簡単でした。
肥前鹿島駅の場合、ホームから改札口までの時間は、約2分30秒かかりました。
階段が2ヶ所ありました。スロープが無かったので、駅員さんに手伝ってもらいました。
階段を上がるとホームまで坂道がありました。後ろには長い階段があったので、すこし怖かったです。
肥前浜駅の場合、改札を出ると、すぐ1番ホームなので、5秒で行けました。上りも下りもほとんどの電車は1番ホームに止まります。
改札口の幅は、車いすではギリギリでした。
佐賀駅の場合、段差がありましたが、事前に連絡をしておくと、駅員さんがスロープを持ってきて、電車とホームの間に置いてくれました。
肥前鹿島駅の場合、段差がありましたが、事前に連絡をしておくと、駅員さんが来て、かかえて乗せてくれました。スロープはありませんでした。
肥前浜駅の場合、電車とホームの段差がなかったので、簡単に乗れました。
佐賀駅の場合、商店街の障害者トイレは、自動で明かりがつきません。がんばらないとスイッチに手が届きませんでした。手すりが遠くて、低く感じました。
肥前鹿島駅の場合、トイレの入り口に段差があったので、車いすでは入れませんでした。入れたとしても和式のトイレのため、僕達は使えませんでした。
肥前浜駅の場合、入り口の幅が狭くて、車いすでは通れないし、通れたとしても和式便器なので、僕達は使えませんでした。
事前にお願いしていたので、ノンステップバスが来ました。
バリアフリーで乗りやすかったけど、スロープが急で幅も狭かったので、少し怖かったです。
ノンステップバスは入り口からスロープが出るようになっていて、車いすでも乗ることができます。
運転手さんが車いすを押してくれました。
普通のバスと違って、車いすで乗り込めるスペースがありました。
押しボタンは、手の届きやすいところにあったので、押しやすかったです。
ノンステップじゃないバスは、車いすのまま乗ることができず、かかえてもらうしかありません。
車いすを置く場所が無かったので、折りたたんで通路に置くしかありませんでした。
車体が低くなって、スロープもゆるやかになるので、乗りやすかったです
ノンステップバスを利用したときに何回かあったのが、スロープを出してもらったときに、歩道の段差や壁があることがありました。これではスロープと段差や壁にはまってしまい、降りることができません。車いすごとかかえてもらうしかありませんでした。
佐賀市内にある「お世話宅配便」といって、車いすの人がパソコンを使って仕事をしている職場を見学しました。
電動車いすを使っている人が、主にパソコンを使って仕事をしています。
パソコンで名刺を作ったり、エクセルで表やグラフを使って仕事をしたり、パソコンで、絵をとてもうまく描いたりする人もいました。
正面出入り口に7台、ほかの全ての出入り口にも2台ずつ、貸し出し用の車いすがありました。
車いす用の小さい買い物かごと、それをひざの上にのせるトレーが置いてありました。
ボタンが低い位置にある自動販売機がありました。
普通の自動販売機は、車いすでは高いところのボタンを押せません。
ATMを利用しました。車いすでは台が高くて、液晶の表示やボタンが見えにくかったです。
お金や通帳、カードを入れるところに手が届かなかったので、支えてもらって立って操作しました。
一番近いバス停である永島バス停で降りても、そこから1キロありました。
バスから降りたら、まず急な上り坂が待ちかまえていて、車いすでは大変でした。
歩道を進んでいると、前方が行き止まり、左側も柵があり、右側が階段という、車いすでは通れないところがありました。階段の横の上り坂を、押してもらって進みました。
玄関には長い階段がありましたが、車いすでも入れるように、エレベータがありました。
館内に入ると、車いすが何台も準備されていました。
館内は三階建てでしたが、階段だけでなくエレベータやスロープがあったので、大部分のところは車いすで行くことができました。エレベータの中はとても広くて、ボタンを押しやすかったです。
身障者用トイレは1階と3階にありました。広くて手すりの位置なども使いやすかったです。
宇宙科学館は、障害者のことを良く考えて作られていると思いました。
天文台に行くには、階段でしかいけません。
階段で上れない人は、かかえてもらうしかありません。
宇宙科学館のレストラン。
レストランの食券を買うお金を入れるところに手が届きませんでした。
食券を渡す台が高くて、台の上に置くのがやっとでした。
レストランの椅子は、手すりがついていませんでした。僕は腕で体を支えて座るので、手すりがついていない椅子だと、座りにくいのです。
机の脚が真ん中についていたので、車いすでは入れませんでした。ふたつの椅子をどかして、机の脚と脚の間に、車いすで入りました。
車いすでは段差があるところは、人に手伝ってもらわないといけませんでした。
特に肥前鹿島駅ではたくさんの駅員さんに抱えてもらったり、押してもらったりしました。
でも、駅員さんは本当は、他にもたくさんの仕事がある中で、手伝ってくださったと思います。
だから、人に手伝ってもらわなくてもいいような、車椅子でも一人でいけるような駅を、いつか作ってほしいです。
一年間車いすで色々な場所に出かけました。
この探検を通して、車いすの便利さや不便さ、バスや電車の乗り方、バリアフリーの便利さ、いろんな人との出会い、いろんなことが自分のためになったと思います。
なにより、ひとりで電車やバスに乗れるようになったことは、とても嬉しく思っています。
車いすでは、なかなか電車やバスに乗ることは難しいと思っている人が多いと思いますが、それは自分が思っているだけです。
自分が思っている以上に、周りの人は優しくて、頼んでみたら、意外とすんなりしてくれるものだと思いました。
最後のまとめとして、本をつくることになった時、作ったことのない僕に、どれだけできるのか、戸惑うことが多くありましたが、本という形になっていくうえで、喜びに変わっていきました。
なんでもやってみるもんだと思いました。
うまく伝えきれないところもありますが、僕達が作った本を読んだり、発表を聞いたりしたことで、少しでも暮らしやすいまちになって、一人でも多くの車いすの人が、思い切って外に出てくれればいいと思います。
これで、車いす探検隊の発表を終わります。
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