嬉野市企画部地域づくり課 副課長 井上親司さん
みなさん、こんにちは。
嬉野市地域づくり課の井上と申します。
今日は、ユニバーサルデザイン実践講座において、「嬉野市のひとにやさしいまちづくり『日本一のバリアフリーのまち嬉野』をめざして」をテーマに、嬉野市の取組みについてご説明します。
よろしくお願いいたします。
嬉野市においては、合併で誕生した新市の地域づくりのテーマを、何にしようかという話し合いの中で、「ひとにやさしいまちづくり」を掲げています。
ユニバーサルデザインやバリアフリーの考え方を、基本としたまちづくりに、取り組み始めたということです。
合併以前の平成17年度前は、どういうふうにしていたかというと、画面の右側にもありますが、本庁の車椅子対応トイレは手がけていました。それとか市道の段差解消といった取組みはしていましたが、バリアフリーという言葉は、各種福祉計画に登場はしていましたが、組織的・計画的な取組みは、行っていないという実情でした。
そもそもユニバーサルデザイン、バリアフリーを基本とするまちづくりを具体化したのが、画面にあるとおり、「ひとにやさしいまちづくりプラン」で、これは「日本一のバリアフリーのまち 嬉野」実現に向けて、バリアフリーなおもてなしのあるまち、観光と公共施設等のユニバーサルデザインを進めるまち、住民同士が助け合うまち、この3本の柱を建てて、基本的な取組み内容を取りまとめています。
それと同時に、ひとにやさしいまちづくりについて、市全体で、幅広く取り組んでゆくという姿勢のあらわれとして、「ひとにやさしいまち」宣言を、平成19年3月23日に、嬉野市議会で決議しています。
内容は、一部省略しますが、「すべての人に向けた意匠(ユニバーサルデザイン)の合理性を加味した、だれもがあたりまえに住みよく楽しい嬉野市を実現するため、ここに『ひとにやさしいまち』を宣言します。」こういった内容となっています。
「ひとにやさしい」というのは、なかなか分かりにくいので、その精神を、目に見えるものにしようということで、「ひとにやさしいモニュメント」を建立しています。
平成19年12月19日に、少女の像、タイトル「心のふれあい」ということで、これは県内の女性彫刻家グループにお願いして、ブロンズの高さ90cmのものです。
これは市役所の玄関脇に、現在立っています。
それから、先ほどご紹介した「ひとにやさしいまちづくりプラン」を確実に推進するために、基本的な取組みを、具体的な事業として、「誰が いつ どのように」取り組んでいくのかをあきらかにした、「ひとにやさしいまちづくり推進計画」を、平成19年度に策定しています。
柱になるのは、バリアフリーツアーセンターの設置で、中身は「宿泊・観光施設などのバリアフリーの情報提供」「市民や観光事業従事者への講座開催」「UD観光案内人の養成」、それに加えて「身体障害者の競技大会の開催」「みんなのトイレ設置助成」「公共施設等里親制度等」こういった36の市の事業を行いながら、「ひとにやさしいまちづくり」を実現していこうということになっています。
それでは、具体的事例を紹介してきたいと思います。
この、ユニバーサルデザイン・バリアフリー化の実績というか、ここにあるのが、プラン作りと平行して県が進めていた、H17~19年度の「水辺空間創出事業」によって、嬉野温泉公園に、車椅子対応トイレ、右のほうは伊勢志摩の例でご紹介していただきましたが、車椅子の方と健常の方が、同じ高さでお話ができるベンチを、こちらでも取り入れています。それと多機能トイレ。こういったものを県で整備してもらっています。
それからプランの目玉であるバリアフリーツアーセンターについては、伊勢志摩について日本で2番目ということで、平成19年12月6日にオープンしています。
左側の画像は、車いすの方が、カウンター越しに相談しているという状況をイメージしています。
それから右側の画像は、オストメイトその他を備えた多機能トイレ、その他機能ごとに4パターンのトイレを整備しています。
それと、市内の旅館・宿泊施設の調査・分析。こういったものは現在継続中で、蓄積したデータは、障害をもつ観光客の皆さんに、障害の度合いに応じて、嬉野の旅を楽しんでもらおうと、情報提供をしています。
その他にも、車いす、入浴用キャリー、こういったものの貸出も行っています。
バリアフリーツアーセンターの平成20年度の活動内容については、車椅子・シャワーキャリー等の貸出が34件、旅館等改修のアドバイスが5件、公共トイレ、公園等のバリア調査26箇所、それと情報提供については、団体へ36件、個人へ136件となっています。
それから県内外の団体、自治体や大学等の視察には、37回対応しています。
それと、各種学校への講演会・講習会も4回開いています。
嬉野市のUD、バリアフリーのまちづくりの拠点として、充分な機能をしているのではないかと考えています。
それから、左の画像は、平成19年度に実施した、旅館の浴室入り口の段差を調べている状況です。健常者にはなんということもない、1cmの段差でも、車いす利用者には大きなバリアとなるかもしれないとういうことで、こういうことを各旅館の状況を把握しているということになります。
それからバリアフリーツアーセンターについては、啓発活動に力を注いでいます。
右のほうの写真は、嬉野小学校だったと思いますが、子ども達に車いすを体験している、こういった活動も展開しています。
それとは別に、旅館従業員への講習とか、外国人観光客への対応の勉強ということで、韓国語の指さしガイドの教室も随時開催しています。
それから次の写真は、障害者の皆さんがまちに出て、観光や買い物をする際に、気になるのはトイレの問題ということで、公共施設のトイレの機能向上については市で取り組んでいますが、市内の民間施設においても多機能トイレを設置していただくような取組みを進めています。
平成20年度に、「嬉野市みんなのトイレ設置事業補助金」という制度を創設して、それに関する協力施設第1号として、華翠苑さんに、多機能トイレの設置をお願いしています。
左の写真が、その多機能トイレの状況です。聞くところによると、その日のうちに早速、20人ほどの車いすの方が宿泊されて、このトイレが利用できたと聞いています。
それと右の写真については、障害者の社会活動について、スポットライトを当てたいと考えています。
平成20年11月3日に、肥前吉田焼窯元協同組合の中に、「吉田ふるさと文学館」をオープンしています。
これは、亡くなられたんですが、障害者文学の県内の第1人者として知られていた、中島虎彦さんを記念したコーナーを設置しています。
それから他にも、左の写真ですが、身近な公共空間を、里親として、地域の住民の皆さんが、温かく見守る気持ちで管理をしてもらうという、「公共施設里親制度」を始めています。
これは、先ほども出ましたが、嬉野温泉公園の美化を、近所の皆さん、湯の畑の皆さんが取り組んでいる状況です。
これについては、市報や新聞で取上げていただいて、けっこうな反響がありました。
自分達もやってみたいという新たな団体が、何団体も手を上げてきていますので、今は予算がありませんが、予算化について検討していきたいと考えています。
それから、従来からUD化が課題となっていた嬉野市の公会堂、右側の写真ですが、国の経済対策事業の一環として、現在トイレを中心とするUD化の工事を行っています。
多機能トイレの改修や、ブースを、今まで狭かったので、拡大した「思いやりトイレ」、手すり、すべり止め、クッション、外国語対応のサイン。こういったものを、バリアフリーツアーセンターに意見を聞きながら、やっているところです。
それから、今後については、これまで取り組みにくかった宿泊施設の改修についてですが、今年度、佐賀県の支援を受けて、「宿泊施設UD化促進事業」を行うようになっています。
これについては、一定の条件を満たす、宿泊施設の客室の改修を行った場合に、補助金を交付するというものです。
市としては、民間事業者の協力を得ながら、こういった環境整備についても進めて生きたいと考えています。
それから平成22年度には、先ほどからも出ていますが、UD全国大会が開催されるということになりました。
嬉野市に来られる全国の皆さんについては、嬉野に来て、何かを持って帰っていただきたい、そういうふうに頑張っていきます。
関連してですが、8月には「ひとにやさしい焼き物」、あちらの方にいろんなUDの陶磁器がありますが、ああいったものを嬉野版を募集したいということで、全国に募集をかけるようにしています。
寄せられたアイデアについては、地元の吉田焼の焼き物を使って、なにか製品にして、来られた方にお土産としてもって帰っていただきたいということを、現在計画しています。
さらに、九州新幹線西九州ルートの嬉野温泉駅についても、市長は、日本一のバリアフリーな駅にしたいとかねがね申しております。駅の機能そのものについては、なかなか差別化は難しいと思いますが、周辺整備についてどんな工夫ができるのか、どういったおもてなしができるのかといったことについて、頑張っていけば日本一になるのかなと、原動力になると考えています。
最後になりますが、今後についても嬉野市では、市民・事業者のみなさんの協力をいただきながら、UD・バリアフリーの考えを基本におきながら、「ひとにやさしいまちづくり」に取り組んでいきたいと考えています。
以上で報告を終わりたいと思います。ありがとうございました。
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