ユニバーサルデザイン(UD)は「人にやさしいデザイン」。全ての年齢や能力の人々に対して、できるだけ利用しやすい製品や環境をデザインするという考え方です。佐賀県は「三世代みんなが安心して暮らせるまち」を目指して、ユニバーサルデザインを積極的に推進しています。
唐津市の「まちなか」を誰もが安心して憩い、楽しめる「まちなか」へ
アクセシビリティに配慮した、みんなが利用しやすいホームページをめざして
連載コラム「さがUDカフェ」は、佐賀県が推進している「ユニバーサルデザイン(UD)」について、担当部署の課長に登場いただき、様々な取り組みの現在(いま)を皆さまにご紹介するコーナーです。
「さがUDカフェ」3号店は、日本三大松原の「虹の松原」や「唐津くんち」でも有名な城下町風情あふれる唐津市のUDの取り組みをご紹介します。
唐津市の「まちなか」を誰もが安心して憩い、楽しめる「まちなか」へ
佐賀県農林水産商工本部商工課長 志岐 宣幸
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皆さま、はじめまして。農林水産商工本部商工課長の志岐宣幸です。
唐津市では、地域が一体となって、まちなかの再生に向けた取り組みが進められています。
今回は、唐津市のまちなか再生におけるユニバーサルデザインの取り組みについてご紹介したいと思います。
◆まちなかのトイレがUD化されています!
商店街では、安心してまちなかで過ごしていただけるよう、子ども連れの方やお身体の不自由な方も利用しやすい十分な広さや設備をもった多目的トイレへの改修、休憩スペースの設置などに取り組まれています。
また、まちなかの公衆トイレについても、ベビーカーや車いすの方なども利用しやすいようにスロープが設置されました。
◆まちなか案内看板が設置されています!
唐津市のまちなかには、数多くの観光客が訪れる唐津城をはじめ、国の重要文化財にも指定された「旧高取邸」など、観光施設が数多く点在しています。
そこで、観光客の皆さまにまちなかを安心して周遊いただけるよう、まちなか案内看板が新たに設置されるとともに、古くなった看板の書き換えも行われています。
この案内看板には、ユニバーサルデザインの視点から、様々な工夫が施されています。
具体的には、観光施設・駐車場・公衆トイレなどの重要な位置情報を、色づかいだけに頼らないデザインに見直したり、多言語表記やピクトグラム(絵文字)の採用などによって、視力が低下された高齢の方や日本語に不慣れな外国人観光客の方にも分かりやすい案内看板に生まれ変わっています。
現在、唐津市においては、誰もがゆったりと時間を過ごし、憩え、楽しめ、癒されるまちなか空間を計画的に整備していくため、市や地域住民が協働しながら、「唐津市まちなか再生ユニバーサルデザイン計画」の策定を進められています。
今後は、この計画に基づいて、誰もが安心して行動でき、憩い、楽しめる空間となるような“まちづくり”が進められることになります。
県としても、市街地再生の成功事例の創出を目指して、商店街を中心とした地元関係者の意欲が高まっている唐津市の取り組みを重点的に支援していきたいと考えています。
志岐課長さん、ありがとうございました。
年間800万人規模の観光客が訪れる本県の一大観光地、唐津市。風光明媚な「唐津城」や日本三大松原のひとつ「虹の松原」をはじめ、東京駅を設計した辰野金吾が監修したと言われる「旧唐津銀行」、国の重要無形民俗文化財にも指定される唐津くんちなど、その歴史や文化は多くのファンを魅了してやみません。
今後は、団塊世代をはじめとするシニア層の増加だけでなく、中国や韓国をはじめとする外国人観光客の増加も期待されます。
まちなかの再生に向けたユニバーサルデザインの取り組みが進展していき、観光客の方も、そこで暮らす住民の方々も、ゆっくりと憩い、楽しめるまちなかに変わっていくことを期待したいですね。
さて、次は4号店です。日経BP社主催の「自治体サイト・ユーザビリティランキング2007/2008」で九州No.1の評価を受けた本県のホームページに関するUDの取り組みのご紹介です。
アクセシビリティに配慮した、みんなが利用しやすいホームページをめざして
佐賀県統括本部危機管理・広報課長 山口和夫
「火曜日を『(火)』と表記されていると、音声では『(ヒ)』と読み上げるので、何を説明しているのか理解できない」
「『経費の1/2』と表記されていると、音声では『経費の1スラッシュ2』と読み上げるので、正確に情報が伝わっていない」
これは、以前、佐賀県のホームページに対して、視覚障害者団体からいただいたご意見です。視覚障害者の多くは、ホームページを利用する場合、音声ブラウザと呼ばれる補助ソフトを使って、情報を音声で入手されます。それで、前述のように聞こえてしまうのです。
本県では、みんなが利用しやすいホームページをめざして、システムの改修を行いながら、その一方で、主に音声により情報を入手される視覚障害者の方にも利用してもらえるよう、県内の視覚障害者団体に、音声ブラウザを使ってホームページをチェックしてもらっています。毎週いただいたご意見をもとに、順次改善を進めています。
冒頭の「曜日」や「分数」の表記も、いまは「(火)」は「(火曜日)」と、「1/2」は「2分の1」としています。
今後は、視覚障害者団体だけでなく、色覚障害者の方や高齢者の方にも、ホームページに関するご意見をいただくなどして、アクセシビリティ(※)の向上に努め、年齢や障害の有無などに関係なく、全ての人が利用しやすいホームページづくりを進めていきたいと考えています。
(※)アクセシビリティとは、建物・製品・ソフトウェアなどが、年齢や能力などに関係なく、どの程度利用可能であるかを表す概念です。特に、高齢者や障害者にとって、どの程度利用可能であるかを表す意味で用いられることが多いようです。
山口課長さんありがとうございました。
インターネットやメールをはじめとするICT(情報通信技術)の進展によって、必要な情報をいつでも簡単に入手したり、時間や場所を越えた情報交換、さらには銀行取引やショッピングさえ可能な時代になりました。ICTは、私たちの暮らしや生活に沢山の恩恵をもたしている、そんなことを痛感します。
一方で、「インターネットで検索したけど、知りたい情報に行き着くまでに時間がかかって諦めた」とか、「自分が普段使っているアプリケーションソフトでは操作できなくて、使えなかった」とかいったように、アクセシビリティへの対応が不足することで、ICTの恩恵を受けられずにいる人も数多く存在します。
超高齢社会の到来によって、商品やサービスを提供する顧客には高齢の方も多くなっています。2050年には3人に1人が65歳以上の高齢者と予測される時代です。アクセシビリティに対応したホームページであれば、加齢によって身体機能が低下しても、苦労せずにホームページを操作でき、欲しい商品やサービスにも簡単に行き着けるという成果が生まれます。
アクセシビリティの視点からホームページを検証し、問題点を改善していくことで、ホームページへの好感度、さらにはブランドイメージや顧客満足度の向上にもつながります。
あなたの職場や所属される団体のホームページ、果たしてアクセシビリティ対応は大丈夫ですか?検討してみる価値は十分ありそうです。
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