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井原寿行(いはら としゆき)さん 佐賀県健康福祉本部地域福祉課長 |
平成17年に佐賀県はユニバーサルデザインの推進指針を作っています。ご案内の方もあるかと思いますが、それに基づいて、平成18年度に実施計画のバージョン1ともいえる、ユニバーサルデザインの基本計画を作って推進をしています。
バージョン1は平成19年度から実質的にスタートし、行政だけではなく、県民協働という形で、民間の方々からの色々ご意見をいただきながら進めてまいりました。
その中で、進め方にあたって事業の出来が良いのか悪いのかがよく分からない、評価すべきではないかというご意見が出ました。
そこで「自己評価」として、県が行っている取組みが、通常の取組みなのか、上出来の取組みなのか、いまひとつの取組みなのか、バージョン2では自己評価しながら行う、ということに改めています。
また「予算協議」として、着実に進めていくために、予算の段階で地域福祉課と県の担当所属とで、協議を行って進めていこうということにしています。
それからまた、目標を定めてやるべきじゃないかという意見も出ました。
こういったご意見をふまえて、地域福祉課と事業を推進する課とで話し合いながら、すでに取組みが終了したものを除き、新たな取組みを導入して、バージョン2という形で新たな計画を定めています。
バージョン2については、基本的にバージョン1を踏襲して、先ほど申し上げたように、さらに進化させる形にしています。
69の取組みが残っていますが、基本的には「まちづくり」、「ものづくり」、「ソフトづくり」、「意識・サービスづくり」ということで、取組みを進めていくことにしています。
計画期間は21年度から25年度までの5年間ということにし、成果指標ということで目標値を定めて、毎年評価を行うことにしています。
それから佐賀UD推進会議という、民間の有識者の方々に入っていただいている会議で、色々と議論していただくということで進めていきます。
具体的な中身に入っていきますが、全項目はお話できませんので、主だったものだけ紹介します。
これは鳥栖市と唐津市と嬉野市をユニバーサルデザインの推進地区として、重点的に進めていこうという取組みです。
特に鳥栖市の場合には、新幹線鹿児島ルートの新鳥栖駅の、駅舎と周辺を含めて整備を進めていくというものです。いま潮谷先生の熊本県の新幹線駅のお話をうかがって、熊本県はすごい取り組みをされているなあという感想を持ったところです。
鹿児島ルートの新鳥栖駅の駅舎ですが、現在工事中で、平成22年度までにUDの整備基準に適合するように、100パーセントの整備を目指すということにしています。
ここが在来線長崎本線の駅になります。長崎本線に交差するところで乗り換え新駅を計画されています。これも駅舎の建設が始まります。
熊本の場合は、在来線と新幹線を同時に建設し、駅舎内の乗り換えを整備されたというご紹介がありましたが、佐賀県ではこういう形ということになっています。
それと、新鳥栖駅の周辺で、区画整備事業を全体でされていますが、ここに大きな駐車場を作り、パーク&ライドといって、大きな駐車場を整備して、ここに車を止めて新幹線を利用した通勤等ができるようにする、という構想が立てられています。かなりの台数の駐車場が整備される予定になっています。
嬉野市は、新幹線西九州ルートが通るということになっていますが、それをおいても、日本一のバリアフリーのまちを目指すということで、「ひとにやさしいまちづくりプラン」というものを定められて、いろいろ目標を持って推進されています。そこに県として協力をしていくという形にしています。
嬉野市は観光の町ですので、特に観光を中心とした振興を図っていくということもあって、バリアフリーツアーセンター、街全体のバリアフリーを進めるための拠点というふうに言ったらいいかと思いますが、これを立ち上げられています。
平成19年の9月に立ち上げられて、そこで市内の施設、ホテル・旅館、いろんな公共施設等のバリアフリー度の調査をされています。
そのデータを蓄積されて、もちろん改修の相談にも乗られるし、色々と観光客から相談があった場合に、「あの旅館がバリアフリーになっている」というように紹介して宿泊のための便宜を図る、というような取組みをされています。
それから、旅館・ホテルの客室のバリアフリー化、これは身障者の方も車いすの方も泊まれるような客室の整備ということで、現在25室ありますが、これを40室まで増やそうという計画をたてておられます。
これは佐賀県が全国に先駆けて行っています。
公共的な施設には、まちづくり条例によって身障者用の駐車スペースが設けてあります。ここに、実際には健康で必要ない方がよく停めているのではないだろうか、というような面が今でも見受けられます。そこで、本来の身障者の方がきちんと止められるようにしようということで始めたものです。
利用者に身障者用の利用証(パーキングパーミット)を交付します。これは身障者の方だけではなくて、高齢者で要介護になられた方、それから妊産婦の方、内部障害の方などの歩行が困難な方に交付して、車に吊り下げて明示していただくことで、堂々と停めていただくというものです。
それから施設との協定を結んでいます。ここで停めていただくということで、もちろん、本来の方以外が止めているだろうという場合には、注意をしていただくということにしています。
もっと厳罰化できないかとか、バッと排除できるような強制力をもたせることができないかというような色々なご意見がありますが、そこまでは考えておらず、パーキングパーミットを交付することによって止めていきたいと考えています。
身障者用駐車場はだいたい幅が3.5メートルあります。通常の駐車場の場合が2.5メートルくらいで、車いすの方が利用しやすいようにということで、広めにとってあります。
これは、県で『ユニバーサルデザインラボ』というUDのホームページを設けています。その中で、県内のいろんな施設について、多機能トイレや障害者用のトイレがあるかとか、入り口は段差がないか、エレベーターがあるか、というような情報を登録しています。
それを、障害者の方などがまちに出かけるときに、県外からお見えになる方なんかに参考にしていただくというものです。
企業、ショッピングセンターやコンビニ、病院、いろんな福祉施設等で、障害者用のトイレや、オストメイトの方用の施設のある多機能トイレというのを整備されております。直接施設に用のない方でも、トイレだけは自由に使っていただけるようにと、協力していただいています。入り口のところにこういうステッカーを貼っていますので、これがあれば、障害者の方には多機能トイレを自由に使っていただけるという取組みです。
これは都市公園のバリアフリーを進めていくということです。
これは特に高等学校になりますが、基本整備ということで、1階部分と多機能トイレを順次計画的に整備しています。この写真がスロープにされたところです。
車椅子の生徒さんが入学する場合には、これは標準装備ではありませんが、エレベーターを整備するという取組みになっています。
さきほど熊本県のお話があっていましたが、佐賀県の場合はノブ式のドアハンドルをレバーハンドルに変えます。それからトイレに手すりを付けます。それからスイッチを大きくして操作しやすいようにします。
潮谷先生から改修の話とか、電動の車いすの電源を作るというようなお話があっていましたが、佐賀県もその辺を参考にさせていただいて、今後改修のあかつきにはやっていくのではないか、というふうに期待をしています。
現在、佐賀県は6.3パーセント、全国的には20.3パーセントでまだまだということです。国土交通省では、平成22年に30パーセントまで引き上げたいという計画のようですが、佐賀県もがんばって、平成25年度までには、乗り合いバスのノンステップバス化を14.9パーセントまでもっていきます。
バスですので、お金も相当かかります。だいたい3千万くらいかかるようです。バス事業者に対して、2分の1補助ということで1500万あたりかかりますので、予算的には大変なものではあります。
道路についてのユニバーサルデザインに基づく整備を道路課でしています。
「安心歩行エリア」ということで、県内10ヶ所、佐賀市が2ヶ所ですが、特に市部の中心部に設定したエリア部分について、従来であれば車道と歩道の接合部分に段差があったり、側溝の蓋の穴が大きくて足や車輪が入りやすかったりしていた部分をきちんと整備して、スムーズに通行できるようにスロープ化しています。
平成21年度までに、とりあえず県内10エリアの分を100パーセント整備し、その後はまた、エリア追加指定後に設定をするということになっています。
それから住民の皆さんと道路を点検して、改良したほうがいいと思われるようなところを探します。そしてその結果分かったところを改善していく、という取組みをしています。それから音声が出る信号機や青の時間が長い信号機の設置がすすめられています。
これは先ほど表彰がありましたが、今年はカレー皿と将棋盤となっています。昨年はビアグラスでした。だいたい食器では障害者の方でもすくいやすい、持ちやすいとか、倒れにくいようなもの、それからリラックスして座れるような椅子、夜間光る蓄光性のタイル、それからグレーチング(側溝の金網蓋)で、これは間が細くなっていて、車いすなんかが脱輪しにくいようなものが開発されています。
それからUD製品の開発に対して、県内の民間企業が取り組まれる場合には、いろいろ協力していきます。
障害者の方の情報通信技術・パソコンを使った訓練・就職の促進をしていきます。それから県ホームページの使いやすさで、日経BP社のランキングでは現在全国5位ということですので、これを2位までいくようにがんばろうということです。
本日も手話でご協力いただいていますが、奉仕員の養成講習会をやって、こういった方を増やしていきたい。
それから車いすで選挙に投票できるように進めていきます。
また県行政窓口の一元化をするため、県庁の新行政棟1階に「元気ひろば」を設置した、こういう取り組みをしています。
高齢者を中心として、子供さんや、障害者の方も、地域の方々の支援を受けて、そこで自立した生活ができる施設の整備を進めています。現在104ヶ所あります。
意識・こころづくり分野では、ユニバーサルデザインについての理解を深めることが重要ですので、色々な情報発信を行っていきます。
また、UDの専門家の方々にアドバイザーになっていただいていますので、そういう方からの助言を活用していきます。
それから地域や職場で、ユニバーサルデザインの出前講座を行います。
さらにCSO(市民社会組織)の方々や県職員、市町の職員の方々にもユニバーサルデザインの研修を行っていきます。
先ほどのこどもUD作品コンクールの表彰もありましたが、子供さん達にユニバーサルデザインとは何かを理解をしてもらうため、まずは先生方に、基礎的なユニバーサルデザインについての知識等を理解してもらうための研修をしています。さらに授業の中にも、ユニバーサルデザインの授業を取り入れていただいています。
以上、バージョン2の取組みでした。
平成22年に、佐賀県の取組みを全国に向けて情報発信をし、県民の皆様にユニバーサルデザインについての理解を深めていただこうということで、嬉野市で第5回UD全国大会の開催を予定しています。
最後になりますが、こういった取組みを平成16年位から始めて、平成18年度に県民の皆さんにアンケート調査を行ったところ、ユニバーサルデザインについて19.6パーセントの方が知っているという結果になりました。
平成20年12月から今年の1月にかけて、再度アンケート調査を行ったところ、今回は27.4パーセントの方から、だいたい知っているという回答をいただいています。
今後行政に望むこととしては、「建物や施設の整備」、「公共交通機関の整備」、「歩道・自動車道の整備」となっていますので、これから(実施計画)バージョン2に基づいて、こういった整備を進めていく必要があると考えているところです。以上でございます。
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